　四万十市中村のＮ先生から「車庫証明の依頼を受けたけれども、こちらから遠いので、田中さんを紹介しましたので、よろしく」という電話を頂きました。車庫証明（正式業務は自動車保管場所証明書）は、一般的な行政書士の業務としてよく知られています。

　ところが、全くやったことがありません。それどころか、自分の車の車庫証明のステッカー（正式には保管場所標章）を張るのを忘れたり、次に車を買い替えるときは「○○先生に頼んで安くしてもらおう」と考えたりするくらい無縁な業務です。その旨をＮ先生に伝えると、「えー！やったことかない！（受話器の向こうから、笑い声）‥‥けど、向こうには連絡先を伝えているので、もう少ししたら電話があると思います。とにかくやってみたら」と言われ引き受けました。独立数ヶ月で仕事も少ないだろうと思って、仕事を回してくれたＮ先生に励まされ、概略をレクチャーして頂きました。

　１０数分後、自動車販売の業者様から電話を頂き、翌日うかがうことでその場を切り抜け、インターネットで高知県警の資料を確認しました。それでも不安ばかりなので、１０歳以上年下ながらお人好しで経験豊富なＭ先生に電話をして、資料とともにアドバイスを頂きました。翌日、自動車販売の会社を訪問。正直に「今回が初めてであること」を打ち明け、不安がられながらもご依頼いただき、無事に手続きを終えました。

　しみじみと、インターネットの便利さを感じました。住所がわかっていればグーグルマップに入力すれば、該当の場所がわかるし、ストリートビューがあれば、駐車場の様子もわかります。今回は青空駐車場だったので、事前に外観をつかんで概略図を作成し、現場で距離を測ることで効率的に地図を作成することができました。初めての業務は、わからないことを調べる大変さがあるけれども、クイズを解くような新鮮さがあります。Ｎ先生からの紹介のおかげで、新たな経験をすることができました。

　高知の行政書士会は、「わからないことは、教え合う」気風があって、先輩後輩行政書士が無償で惜しげもなくノウハウを提供してくれます。今回は、本当に助かりました。私も、法律事務所に勤めていたので、その経験から参考になることは話をするようにしています。前の職場から独立する勇気が出せたのも、その気風のおかげです。

　今回経験したことで、「報酬規程」に、新たに『車庫証明』を加えることができました。覚えたことを忘れないうち再度やって知識を定着させたいのだけれど、ご依頼はありませんか。

2016.10