相続手続②

　遺産分割協議書の作成のご依頼を頂くことがあります。

　遺産分割協議書とは、亡くなられた方の財産の処分について、相続人間で合意したことを示す書類で、全ての相続人が名前を連ねています。この書面を根拠に、不動産の所有権の移転や預貯金の解約、有価証券の名義変更等を行います。

　慣れない書類であり、きちんと作りたいというご要望があり、ご依頼を頂きます。第三者の専門家が間に入って書類を作成しますので、書類の信用性が増すとともに、直に相続人間で話し合いをしにくい場合の潤滑油の役割を果たすことがあります。亡くなられた方が、二度婚姻をされていて、相続人が、前妻（夫）の子と後妻（夫）の子である場合や過去に養子縁組があって相続人となった場合などです。

　それまでの関係がどんなに薄くても、民法で定められた法定相続分の権利がある以上、その方に相続人であることの事情を説明し、意向を確認します。その時の反応は様々で、法定相続分の取得を希望する方もいれば、これまで係わりがなかったことを理由に、「相続分はいりません」という方もいらっしゃいます。家族の歴史は様々ですので、どちらが立派という話ではないと思い、意向に沿って書類を作成します。ただし、相続放棄をされる場合は別として、「相続分はいりません」ということで手続きに協力していただける方がいる場合、負債だけ相続させてしまうことになりかねないので、財産調査は細心の注意を図るようにしています。

　私の知識と過去の経験を踏まえてアドバイスをさせて頂くとともに、相続人の方のご意見に、謙虚に耳を傾けることを心がけています。